青色申告特別控除65万円

Special deduction

※令和5年4月時点の法令に基づいて作成しています。

青色申告制度の大きな特徴は青色申告特別控除です。
ここでは青色申告特別控除65万円の要件などを説明します。

青色申告特別控除65万円を受けるメリット

青色申告特別控除65万円を受けることで、確定申告の税金や国民健康保険などの負担を大幅に軽減することができます。

税負担等軽減の例

45歳で事業の利益(収入-経費)が500万円、国民健康保険40万円、国民年金20万円の場合の所得税及び翌年の住民税、国民健康保険料の影響
※復興特別所得税は加味しておりません。

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青色申告特別控除10万円の場合の税負担等
所得税(500万円-10万円)-(40万円+20万円)-48万円=382万円
382万円×20%-427,500円=336,500円
住民税(500万円-10万円)-(40万円+20万円)-43万円=387万円
387万円×10%=387,000円
健康保険(500万円-10万円)-43万円=447万円
447万円×11.79%≒527,000円(所得割)
527,000円+76,400円(均等割)=603,400円
税負担等合計336,500円+387,000円+603,400円=1,326,900円

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青色申告特別控除65万円の場合の税負担等
所得税(500万円-65万円)-(40万円+20万円)-48万円=327万円
住民税(500万円-65万円)-(40万円+20万円)-43万円=332万円
332万円×10%=332,000円
健康保険(500万円-65万円)-43万円=392万円
392万円×11.79%≒462,100円(所得割)
462,100円+76,400円(均等割)=538,500円
税負担等合計226,500円+332,000円+538,500円=1,097,000円

年間で229,900税負担等が軽減!

青色申告特別控除65万円を受けるための要件

青色申告特別控除65万円を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

●青色申告承認申請書を期限内に提出していること

●事業所得があること又は不動産所得の場合貸付規模が事業的規模であること

●正規の簿記により帳簿を作成し、貸借対照表を提出すること

●確定申告の提出期限内に確定申告書類を提出すること

●確定申告の提出をe-Taxで提出していること
又は事前に届出書を提出し、優良な電子帳簿保存の要件で帳簿を保存すること


青色申告承認申請書を提出期限内に提出していること

青色申告特別控除の大前提として青色申告で確定申告をする必要があります。
青色申告をするためには、青色申告承認申請書を提出期限内に税務署へ提出する必要があります。

区 分提出期限
1月16日以降に開業した方※1開業した日から2か月以内
上記以外の方青色申告の承認を受けようとする年の3月15日※2

※1 前年に不動産・事業・山林いずれの所得もなかった方

※2 具体的に、×2年3月に行う×1年分の確定申告で青色申告するためには、×1年3月15日までに申請書の提出が必要です。


また、相続で事業を承継した場合、別途提出期限の定めがあります。

事業所得があること又は不動産所得の場合貸付規模が事業的規模であること

具体的に、次のいずれかに該当する所得がある方が対象です。

1事業所得がある方

2不動産所得の他に事業所得がある方
(青色申告特別控除は不動産所得の金額、事業所得の金額から順次控除します。)

3不動産所得でマンション・アパートの貸付規模が10部屋以上である方

4不動産所得で一戸建ての貸付規模が5棟以上である方

5不動産所得で 3 又は 4 に相当する貸付規模である方

※3、4、5に該当する貸付規模を事業的規模といいます。

正規の簿記により帳簿を作成し、貸借対照表を提出すること

青色申告をする方は次のいずれかの帳簿を作成します。

1簡易帳簿

収入と経費のみ記録します。
損益計算書(一年間の収入と経費を報告する書類)のみ作成します。

2複式簿記

収入と経費のみでなく、資産・負債・資本といったお金の流れも記録します。
損益計算書・貸借対照表(事業資金等の残高を報告する書類)を作成します。

一般的に正規の簿記とは、2 複式簿記で記帳することを指します。
複式簿記の記帳は、複数の帳簿を同時に記録していくため、複雑になりがちです。そのため、会計ソフトを使用して記帳を行うのが一般的です。

確定申告の提出期限内に確定申告書類を提出すること

所得税の確定申告の提出期限は毎年3月15日です。
一日でも提出が遅れてしまうと青色申告特別控除が10万円となってしまいます。

確定申告書類をe-Taxで提出すること又は優良な電子帳簿を保存すること

これまでの要件を満たしていても、次のいずれかの要件を満たさない場合、青色申告特別控除が55万円になってしまいます。

確定申告書をe-Taxで提出

確定申告書及び決算書をe-Taxを使用して提出する方法です。
青色申告特別控除65万円を受けるための一般的な方法となります。
通常マイナンバーカードを必要としますが、当会ではマイナンバーカード不要でe-Taxによる提出をサポートしています。

優良な電子帳簿を保存

一定の要件の下、正規の簿記で記録されている会計ソフト等の記帳内容をデータのまま保存することが、優良な電子帳簿です。
適用を受けるためには、税務署に申請書を提出し、承認を得る必要があります。
また、優良な電子帳簿の適用を受ける方は、過少申告加算税の減免措置も受けられます。

以上、青色申告特別控除65万円を受けるためには様々な要件がありますが、税負担等を大幅に軽減することが可能です。(一社)品川青色申告会では、青色申告特別控除65万円を受けようとする方に、会計ソフトの紹介や記帳の仕方、確定申告をサポートしています。
無料相談も実施していますので、お気軽にご相談ください。